人のレジリエンスの限界値についてー材料力学からの推察ないし妄想ー

真っ直ぐな柱(例えば割りばし)を真上から長手方向に圧縮すると、ある荷重までは真っ直ぐに縮みます。その後圧縮が増え続けると耐えられなくなり、垂直な圧縮変形から横方向に不安定的な曲がりが生じて、一瞬に破壊(座屈破壊)して折れてしまう。この折れた時の(座屈)荷重を求める理論として、(高校生以上ならほかの分野で一度は聞いたことのある有名なオイラーという人が導いた)オイラーの座屈荷重という公式があります。

その公式の結果は大変奇妙なもので、柱の形状や支持の仕方が決まっていると、それに対応する最大圧縮力は、その材料素材固有の強度(塑性変形を生じる材料固有の強度)に依存しないということです。では、材料の強度特性の内、何の影響を受けるかと言うと、材料の直線的な回復可能な変形範囲内(=弾性範囲)での圧縮荷重と縮み量との関係(所謂ヤング率、バネの場合ではバネ定数に相当)だけに依存するという点です。

ではオイラー公式での座屈時の最大荷重(限界荷重)の誘導方法ですが、負荷と変形が直線関係にある圧縮状態(破綻していない状態)での方程式を解くのではなく(それでは限界値は得られないので)、大胆にも「もし、なんらかの原因で垂直方向から横方向に逸脱した変形(即ち、破綻して正しい道?から外れた座屈状態)があると仮定(この仮定の発想が流石にオイラーさん!!)して、その釣り合い式(実際は二次の微分方程式)が成立する条件(実存条件)がすなわち限界荷重であることを示しています。

この公式の誘導過程って、柱の不安定破壊の限界値の解析だが、人のレジリエンスに対する限界値の考察に応用できるのではないか、即ち、人がレジルエンス内に止まる限界条件は、破綻前の正常な状態方程式の解ではなく、何らかの原因で“逸脱した状態での方程式を仮定し、かつその状態が成立する(即ち人が実存する)ために必要な条件そのものの中にあるに違いない”、と小人閑居して妄想した。
(2019/7/4, 中司@会員)

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